•  新しい京都のデザインを創出

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SUMUFUMU TERRACE KYOTO は京都の中心部にあり、多くの人目に触れる立地にあります。周辺は街に閉ざしたビル群が建並ぶクローズの空間でしたが、情報発信基地としてこの施設は外部に開けた空間になるよう計画しました。新しいものと古いものが共存し再生、発展をしている京都で街並みを意識しながら、色気や温もり、落ち着き感のある空間をベースに、京都が積み重ねてきた時間の深みを取り込みたいと考えました。内部構成は大きく3つに分けて計画しました。入口付近にある多目的に使えるゆったりとしたラウンジ空間は壁面全周に格子を配し、嵐山の竹林をイメージさせるような非日常的な印象を与えます。視線を和らげながら外との境界をつくる格子は、好奇心を掻き立てる仕掛けとなります。中央に計画したソファやプランターは移動式とし、人数に合わせて多目的に活用できる空間としています。施設中央に位置するインヴィテーションスペースは受付としてロングカウンターを設け打ち合わせやセミナーの場として様々な説明の場になるような空間構成にしています。企業の顔となる場所になるため、カウンターとテーブルは高さを揃え、水平ラインを強調したデザインにしています。テーブルの素材や装飾のタイルは特別なものを選び、この施設の中心として考えました。施設一番奥にはプライベートラウンジを設け、大型モニターを設置して上質な空間を体感できる場所としました。京都ならではの素材を活かす事を意識し、西陣織や織物クロスを取り込いれて伝統工芸と空間を一体的に提案をしました。外部に対して列柱の連続感を出すことで、奥行き感を持たせ、施設全体が細長く、全てのスペースが開口部に面しているので、屋外との緩衝帯として植栽を設け街路樹とリンクされることで、外と中を曖昧にして、街との繋がりを生み出しました。この場所が世界一幸せな「わが家」づくりの始るきっかけとして訪れて欲しい場所になってもらえる事を願い設計しました。