•  新しい京都のデザインを創出

 

先端工芸
伝統産業と先端産業が共存する京都のものづくり企業2社が、日本の伝統工芸と先産業を支える技術を掛け合わせて新しい価値を創り出す。
組子細工と金属精密加工
906個のアルミニウム合金製の部材で構成されたシェードは、木の組子細工と同じように組み立てられています。 このシェードには、ネジや溶接、接着剤などの接合は一切無く、部材同士が押し合う力の均衡とミクロン単位の嵌め合わせによってその形状を保っています。 これらの部材は先端産業で使われている金属の精密加工技術で作られており、その精度は土1/1000ミリメートル単位です。 木材と比べて金属は変形しにくい素材であるため、手による微調整が困難です。 そのため、予め高精度に仕上げた11種類の部材を一つひとつ組み合わせて完成させます。 部材を何度も組み替えて反りや歪を解消し、漸く緻密な幾何学模様が姿を現します。 また、構成部品の90%は産業機械部品の製造過程で生じた端材や不良品から取り出しています。
黒谷和紙とレジン
光を温かく拡散する和紙は、京都府綾部市の黒谷和紙。 それを覆うレジンは、近年、従来の接着剤としての用途ではなく、アクセサリーやアートに活用され始めた新技術です。 紙や布、金箔などを封入し、今までに無い新たな価値観を提案することができます。 円筒の拡散板と円盤の土台は、それぞれ独自の工法で加工しており、黒谷和紙らしさを残した表現を確立しています。 拡散板には和紙の繊維がくっきりと見え、土台のレジンには和紙の素材である「楮(こうぞ)」が含まれており、中で楮が浮遊しているように見えます。