京都の通りをデザインする                                                           公益社団法人京都デザイン協会

三条通りを中心とした新たな京都観光の姿

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九条山地区(日ノ岡〜蹴上)

1.日ノ岡から旧東海道
(ひのおかからきゅうとうかいどう)

京の都へ東海道を旅してきた人々が最後の山場「九条山」超える山道。現在は西行き一方通行でほとんど車も通らず寂れている。両側の民家も朽ちかけているものもあり、住民も減ってしまった。この道がかつてはメイン道路の東海道だったのか、疑問に答えるように、道半ばには「旧東海道」の石碑がライオンズクラブ寄贈で立っている。
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2.日ノ岡から九条山
(ひのおかからくじょうやま)

琵琶湖疏水煉瓦工場跡。旧京津線日ノ岡駅。府道南側の旧道沿いの朽ちている民家。人馬による物流盛んな頃、道路舗装に石が使われた。荷馬車や大八車の交通量がいかに多かったのか、車輪跡がくっきりと残る「車石」。擁壁を兼ねてモニュメントとして残されている。小さな公園には当時の様子を知る事の出来る荷車の
モニュメントも。
1997 年(平成9 年)の京都市営地下鉄東西線開業に伴い京津線京津三条 - 御陵間が廃止されたことで、自動車にとっての道路環境は改良されたが、九条山から日ノ岡にかけての高齢者、交通弱者にとっての交通環境が悪くなり、住む人も減った。
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3.九条山- 日向大神宮
(くじょうやま - ひむかいだいじんぐう)

日向大神宮(ひむかいだいじんぐう)は三条通沿いにある参道入り口から階段を昇り山に入った所にある神社。「京の伊勢」と呼ばれ、内宮(上ノ本宮)ないく( かみのほんぐう) には天照大御神(アマテラスオオミカミ)が祀られています。交通祈願の神社として、また縁結びの神様、パワースポットとしても有名。内宮から左奥に入った所には開運厄除けの神のおられる「天岩戸」があり、岩戸くぐりができます。
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4.蹴上インクライン発電所
(けあげいんくらいんはつでんしょ)

明治新政府になり、政治の中心が東京に移ったため、それまで都だった京都に元気がなくなってしまいました。活性化策の一つとして近代産業の発展に欠かせない電力を得るため、日本で初の事業用水力発電所が琵琶湖疏水終着点の蹴上げに建設され、市内への電力供給が可能になり、電灯や、電気鉄道、工場の動力源に活用されました。琵琶湖疏水は当初の目的である灌漑・防火用水、飲み水、水運に利用されました。水運のためのインクラインは低い位置から高い位置へ坂を利用して舟を引き上げる装置で、現在はその遺跡を見る事ができます。インクラインの下を横切るトンネルは、強度を保つため「ねじりまんぽ」というレンガを螺旋状に積む工法が使われています。蹴上発電所近辺に点在する疏水関連施設は平成8年(1996年)、国の史跡に指定され、そのいくつかは実際にそばで見ることができ、歴史ロマンを味わいながら散策が楽しめます。
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5.屋上庭園を持つ蹴上駅
(おくじょうていえんをもつえあげえき)

ツツジの花苑で有名な蹴上浄水場の三条側は石垣の上が土手になっておりその土手一杯にツツジが植わっていた。そこに地下鉄蹴上駅の出入口が建設された。ツツジの土手は出入口建築の屋上庭園となり、ツツジは守られた。
景観を意識した美しい建築である。
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