•  新しい京都のデザインを創出

学生賞(画箋堂賞)

橋上の町家
部門/分野 <第1部門>
作品名 橋上の町家 —都市の新たな動線空間—
品番
デザイナー 山崎 稜
税別価格
内外商品販売店舗
作品説明 計画敷地は観光都市京都でも特に観光者が多い三条、四条である。この地に流れる鴨川は京都の都市軸として重要な存在だが、鴨川を挟んだ東西の地域間の移動には「橋」というツールを利用する以外に方法がなく、人の流れは一様で、鴨川は障害物ともいえる。これにより、近年観光都市で問題となっている観光交通問題が京都でも多発しており、早急な解決が求められている。 本設計では、鴨川の河川空間というオープンスペースを用いた新たな動線空間を京都に計画する。鴨川など都市に流れる河川は、昔は水場としての利用や舟を用いた運搬作業など、人々の生活や営みに欠かせない存在であった。しかし現代日本では、河川はどの都市でも一様に景観としてのみの存在となってしまっている。京都は明治期から続く納涼床文化により河川空間の間接的な利用やそれによる親水性を得ているが、それ以外での河川空間の利用方法としては散歩や一時の休憩スペースなどであり、積極的な利用は見られない。そこで河川空間というオープンスペースを用いた動線空間を新たに計画することで、鴨川を挟んだ東西間の移動ツールが増え、都市における人の流れが多様になることが予想される。そのことにより、各地点の滞在人口の集中が緩和され、観光交通問題は解消・緩和される。 今回提案する空間は、鴨川の河川空間に動線を繋ぎ、河川空間の積極的な利用を可能にする橋である。これは主に人々を河川空間に導く動線ツールとしての利用だけではなく、路上ライブなど敷地周辺に見られる公共的な催事に活用できる広場空間や鴨川と周辺の景観を日頃と異なる視点での眺めを望む空間を有する公共的空間である。 現代日本では、河川法により一級水系から暗渠に至るまで、河川の上部には人が滞在する非公共的空間(住居や商業施設など)を設けてはならないとされてきた。しかし近年の都市における人口集中などの観点から、河川空間というオープンスペースを利用した商業施設などを仮設的に設けてもよいとする「都市および地域の再生等のために利用する施設に係る占用の特例(河川空間のオープン化の特例)」が平成23年に施行された。この特例法により仮設空間の設置は可能になったものの、未だ常設空間は許可されていない。本設計が社会的に評価され、河川空間を利用した都市的まちづくりが促進されることを願う。
学校名 滋賀県立大学大学院
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