京都に根ざした優れたデザインを発掘

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高井一郎
京都市立芸術大学教授
'97 Made in KYOTO 京都デザイン優品審査委員会 委員長

審査講評

 今年は400点に上る応募があり、回を重ねるたびに公募商品全体のレベルが上がってきていることを実感する。
 また、応募商品の種類も、京都の伝統に根差したクラフト的なものから日本を代表するハイテク機器まで多岐にわたっているが、ハイテク機器の応募が多くあったことが目立った。
 この背景には、京都産業の製造品出荷額を見てもわかるように、京都における近代産業の比重が高まっていることがあり、従って優品選定事業へのハイテク機器の応募が今後益々増えていくものと思われる。
 一方、毎年優れたデザインを送り出してきた企業の応募商品に、表面的なデザインに凝り過ぎたため、かえって本来あるべきシンプルなデザインの美しさを損なっているものが一部に見受けられたことは残念であり、真のデザインマインドを普及していく必要性も感じられるところである。
 日本の伝統的文化を代表する京都の地において、新しい産業の中にも伝統の粋を生かしていくことは京都の役割であり、そうした意味で市場の中に埋もれているそれらの優れた商品を掘り起こし、京都デザイン優品として世の中に送り出していくことが非常に重要であると考えている。
 今回選定した商品が多くの人に京都デザイン優品として親しまれ、開発に携わった人の励みになることを期待しつつ、今後さらに京都デザイン優品選定事業を続けていくことの意義を強く感じているところである。

審査委員

池田  毅 (社)日本パッケージデザイン協会理事副理事長
河北 秀也 (株)日本ベリエールアートセンター代表
坂下  清 シャープ(株)常務取締役
曽呂利忠男 阪急友の会取締役
高井 一郎 京都市立芸術大学教授
高橋 公子 日本女子大学教授
本郷大田子 (社)京都デザイン協会理事長
宮島 典男 松屋銀座本店デザインコレクション
森岡 茂勝 兵庫教育大学教授
森山 明子 日経BP社にっけいでざいん編集長

ご協力いただいた推薦委員

荒川 祥子 スペースki主宰
小川 長楽 陶芸家
恩地  惇 (株)GK京都取締役副社長、京都工芸繊維大学講師
門脇 英純 マーケッター、成安造形短期大学講師
川人 一郎 (社)京都府物産協会会長、(株)川人象嵌代表取締役
高島 一子 スーパーコーディネーター、エディター
谷川  隆 (株)日商社取締役営業本部長
津田佐兵衛 京都物産出品協会会長、(株)井筒八ツ橋本舗代表取締役
中西まゆみ (協)京都クラフトセンター理事
中村 隆一 京都市立芸術大学教授
野田 伸三 京都伝統産業青年会相談役
原  里江 グラフィックデザイナー
久谷 政樹 京都芸術短期大学教授
増山 和夫 京都工芸繊維大学工芸学部助教授
松川 恵一 プランナー、(株)エニアックインターナショナル代表取締役
元橋 一裕 (株)フェイム企画営業課長
大和 文昭 京朋(株)企画室室長
若林 広幸 建築家
(順不同・敬称略、役職は委員委嘱時のもの)