京都に根ざした優れたデザインを発掘

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高井一郎
京都市立芸術大学教授
'98 Made in KYOTO 京都デザイン優品審査委員会 委員長

審査講評


 今年も昨年に引き続き400点を上回る応募があり、この事業が9年目を迎え京都の産業界によく周知されてきたことが窺える。
 また、応募されてくる商品のレベルも、当初と比べると底上げされた感があり、審査を通じて過去9箇年の実績の重みを感じている。
 さて、京都デザイン優品は、京都で作られた生活に根付く商品で造形と品質に優れたものを選定し、世に送り出そうとするものだが、応募されてくる商品は、お土産品のような伝統工芸品から、生産機器のような大型工業製品に至るまで多種多様であり、性格の全く異なった商品のデザインを審査する我々審査委員を悩ませるところである。
 京都産業において、新しい産業構造の変化に対応するため高付加価値の商品化が不可欠であるが、その一つにデザイン力の導入によりパーツメーカーから最終製品メーカーへの脱却が考えられる。
 1200年の歴史に培われた伝統的なデザインの価値と並んで、京都には21世紀に向かって新しい歴史を築くインダストリアルデザインも重要であり、我々審査委員が悩みながら審査を続けるのは、京都のデザインを、この2つの側面から多くの人に知っていただきたいからにほかならない。
 今回送り出す京都デザイン優品が、京都のデザインマインド高揚の一助となることを、心から願うものである。

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審査委員

岡  信吾 (社)日本パッケージデザイン協会理事副理事長
加藤 淳子 成安造形短期大学助教授
河北 秀也 (株)日本ベリエールアートセンター代表
坂下  清 シャープ(株)常務取締役
高井 一郎 京都市立芸術大学名誉教授
本郷大田子 (社)京都デザイン協会理事長
松原 滋子 (株)京都近鉄百貨店 趣味用品課長
宮島 典男 (株)松屋・銀座本店 家具家庭用品子供部2課長
森岡 茂勝 兵庫教育大学教授
森山 明子 日経BP社にっけいでざいん編集長

ご協力いただいた推薦委員

上村多恵子   (株)ドラマモード代表取締役
奥西  和   (有)キャラ代表
恩地  惇   (株)GK京都取締役社長
門脇 英純   マーケッター、成安造形短期大学専任講師
角田 潤治   (社)京都府物産協会会長
清水  忠   清水忠企画室代表
谷川  隆   (株)日商社代表取締役
津田佐兵衛   京都物産出品協会会長
中西まゆみ   (協)京都クラフトセンター常務理事
細木 京子   日本環境保護国際交流会事務局代表
増山 和夫   京都工芸繊維大学助教授
真鍋 宗平   真鍋地域デザイン研究所主宰
水野 歌夕   写真家(水野克比古写真事務所)
大和 文昭   京朋(株)企画室室長
吉村千恵子   (有)エイム代表
右衛門佐美佐子 天然デザインフォーラム
六渡  満   ロクドデザイン事務所主宰
若林 広幸   建築家、(株)若林広幸建築事務所代表
(順不同・敬称略、役職は委員委嘱時のもの)